試行錯誤から生まれた成果:未経験エンジニアの業務改善奮闘記

こんにちは、コアバンキングチームのMNです。
私はプログラミングスクールを経て、未経験エンジニアとしてこの世界に飛び込みました。
今回は入社後の研修を経て取り組んだ業務改善プロセスについてご紹介します。

3つの領域を軸にした研修とOJT

入社後の6ヶ月間、以下の3つの領域で構成された研修を受けました。

  • ITスキル領域
  • ビジネス領域
  • リーダーシップ、マネジメント領域

それぞれの領域での自主学習や勉強会を通じて、徐々にスキルを高めていきました。また、研修の3ヶ月目からは、実務を通じて業務を理解するためにOJT研修を行いました。OJT研修ではTPGの各チームを約1週間ごとに回り、それぞれのチームの概要、役割や業務内容を理解していきました。

研修期間の最後には、半年間の研修の集大成として自由テーマの最終成果物を企画・作成・発表することになっていました。

 

OJTで見えた「現場の声」

OJT研修中、ある事務部門の業務を見学・ヒアリングする機会がありました。
その中である1つの業務に注目しました。

  この業務は、
・入金情報を、所定の書式に整えて報告
・あわせて社内での決済処理を行う流れになっています。

現場では以下のような具体的な課題が発生していました。

  • 明細を用紙に1件ずつ印刷し、はさみで手作業でカットしている
  • 1日に最大300件ほど処理が発生し、処理に5~6時間かかることもある
  • 印刷量が多く、複合機が長時間占有され、他業務に支障が出る
  • 郵送の集荷時刻に間に合わせるため、早出をして対応している
  • 報告後の決済処理においても、金額集計を手計算、手入力している

件数の増加により処理するのに非常に手間と時間がかかり、現場の大きな負担となっていました。
ヒアリングを通じて、これらの工程が「当たり前」として定着してしまい、課題として顕在化していなかったことも分かりました。

 

改善へのアプローチと技術的な取り組み

① 現場の声を聴き、業務整理と要件定義

まずは、実際に業務を行っている担当者の方々から、課題や負担についてヒアリングを行いました。
その内容をもとに、以下のような流れで現状分析と要件定義を行いました。

  • 実際の業務を細かく洗い出し、どこに手間がかかっているかを確認
  • 使用中のExcelツールの仕様を確認し、手作業になっている工程を整理
  • フロー全体を見直し、「自動化できそうな箇所」「物理的改善で効果が見込める箇所」を特定

このことで特に印刷・カット作業、集計・入力工程に課題が集中していると判断しました。

② 限られた時間と環境の中での技術選定

  • 現行のExcelツールを改修→VBAマクロ活用して、報告書作成・集計の自動化
  • 手作業でカットしていた印刷物は、裁断機を導入して物理的負担も軽減

ツールをまるごと新しくするのではなく、「今あるものをより効率よく使える形に整える」という現場密着型の改善を意識しました。

③ 初めてのマクロ開発での壁 チームでの学びと試行錯誤

VBAマクロの開発は私にとって初めての経験で、思ったように動作しなかったり、想定外のエラーに悩まされたりする場面も多くありました。

一人での解決が難しかった部分は、マクロに精通した先輩エンジニアに相談し、一緒にフローや仕様を整理しながら方向性を見直しました。

  • 「この仕様ならこういう処理で簡略化できる」など、具体的なヒントや考え方をもらいながら学びつつ実装
  • 何度も試作とテストを繰り返しながら、現場で実際に使えるレベルのツールへと改善

この過程を通じて、「業務改善ツールは、現場の使いやすさが何より大事」という視点も得られました。

改善内容とその成果

実装後、今回の業務改善で現場からも嬉しい声をいただきました。

  • 「信じられないほど一瞬で終わるようになった」
  • 「現場のぼやきをしっかりとニーズとして拾ってもらえて嬉しかった」

こうした声を頂き、私自身も改善プロセスを通じて要件定義から実装、テストまでの一連の流れを経験できたことが非常に大きな収穫となりました。

まとめ

今回の経験から、「現場の日常には、外から見ると大きな改善チャンスが潜んでいる」と実感しました。
また、“外からの目線”だけではなく、社内にエンジニアがいる“自社開発”だからこそ、より現場の実情に沿った課題解決ができると感じました。

この経験を通じて、単なる「問題の解決」ではなく、「どうすれば気づけるか」「どうすれば形にできるか」という“プロセス”の重要性を学びました。

今後も、この視点を大切に、現場の声に耳を傾け、より良い仕組みをつくっていきたいと思います。そしてそこで得た知見や成果を、お客さまにとって価値あるサービスへつなげていけるよう努めていきます。