カード不正利用申告のシステム化でUX向上+業務効率化

こんにちは、クラウドフロントTのかわしんです。
最近サイゼリアでワイン500mlが400円で飲めると知って、サイゼリアで飲むのにハマっています。

さて、今回は最近Salesforceを活用してシステム構築〜リリースをした「デビットカード不正利用申告ナビ」について紹介しようかと思います。

デビットカード不正利用申告ナビとは

デビットカード不正利用申告ナビとは、当社デビットカードを不正に利用された疑いのあるお客様が不正利用被害をオンライン上で申告し、オンライン上で対応状況の確認、さらに必要書類の提出まで行なって頂けるようにしたシステムになります。


なぜシステム化を行ったか

なぜ本業務のシステム化に取り組んだかというと、不正利用対応には多くの必要書類や関係者がいるためそれに伴い多くの業務が発生し、時間がかかるためです。

簡単に不正利用申告の対応フローを説明すると今までは、以下のような業務フローとなっていました。
※細かい業務は省略しています、場合によっては警察への届出書や加盟店への調査依頼なども発生します。

不正利用発生

お客さまからの不正利用申出

お客さまへの詳細ヒアリング

案件管理表への入力、対象取引の確認・印刷

届出書・送付状を作成し発送
 (場合により、住所不明、保管期限切れ等の返戻時の対応を実施)

お客さまから届出書受領・内容の確認
 (不備等があった場合は再度書類のやり取りが発生)


関係者への調査依頼・社内での対応方針の決定

補てん対応

上記の通り、不正利用申告が1件でも発生すると多くの業務が発生することがわかります。

システム化後のフロー

上記のフローから、システム化後のフローは以下になります。
赤字部分がシステム化され、業務工数が削減されています。

不正利用発生

お客さまからの不正利用申出

お客さまへの詳細ヒアリング

システム上でフォームに入力頂く・システム上でステータスを管理

関係者への調査依頼・社内での対応方針の決定

補てん対応

システム化を行う上で、とくに事務部門から強く要望があったのが、「必要書類のオンライン化」の部分です。

赤字の部分である、紙ベースでの書類のやり取り がシステム化前にはありましたが、こちらの業務が一番時間がかかります。
お客さまごとに異なるフォーマットの書類を準備し、お客さまの住所を調べ、書類を一まとめにし郵送をします。
発送にも数日かかる上、問題なく受領頂ければいいですが、住所相違や不在で受領いただけない場合はお客さまに連絡をし再度発送をする必要があるため1週間程度かかってしまうこともありました。

お客さまにとっても、不正利用被害に遭ったという不安な状況の中で、届け出に何日もかかってしまうのは不満もお持ちだったかもしれません。

そこで、お客様のUXを考慮し、必要書類の作成部分を以下のようにオンラインで入力頂けるようにしました。

お客さまの届出書提出の画面(画像が見づらくすみません)

また、従来はExcelベースで各案件を管理していたものをSalesforce上で管理をすることで、
データが消えてしまうリスクやデグレのリスクから解放され、またフォーマット化された形で案件情報を管理できるようになりました。

案件を管理するSalesforceの画面(テストデータですが念のためマスキングしています)

工夫した点

本システムにおいて工夫した点としては、当社インターネットバンキングサイトからのログインを可能にした点です。
当初は、本システムにログイン頂くための導線をメールのみにしようという案もありましたが、メールのみとした場合、以下のような課題がありました。

■課題
・メールが届かないとアクセスできない
・同じようなメールがたくさんあり、どれがどのステータスのときのメールか分からない
・メールが削除されたり迷惑メールなどに保存された場合、再度メールを送るオペレーションが発生する

実装としては、メール⇒Salesforceという導線であれば基本的には、Salesforceだけで開発が完結するので楽ではありましたが、
一方で、インターネットバンキングサイト⇒Salesforceという導線であれば、当社の口座をお持ちの方であれば必ずアクセスが可能であり、
サイトにアクセスすればいつでもデビットカード不正利用システムにログインしステータスをご確認いただけた方がUX的に優れている
と判断しインターネットバンキングサイトとSalesforceを紐づけました。

デビットカード不正利用申告システムへは、インターネットバンキングの「ご確認事項」からアクセスができます

どのくらいの期間でシステム化が完了したか

本件のシステム化は要件定義〜システム運用まで4ヶ月程度の期間でシステム化が完了しました。
各工程は以下くらいの期間だったかと思います。

・要件定義・プロトタイプ作成:1ヶ月
・設計書作成:2週間
・開発・実装:1ヶ月
・テスト仕様書作成:1週間
・UT・ITa・ITb・UAT:1ヶ月
・リリース準備〜リリース:1週間

銀行に勤めるエンジニアながら勘定系の部分や事務業務は触れたことがなく要件定義の時点で知らない業務やフローが多くあり苦労しましたが、
一般的なシステム構築の期間と比べる格段に早いのではないかと思います。

やはり、社内で要件定義・開発・テストまでを完結できてしまうのは当社の強みの一つではないかと本案件で再確認することができました。

まとめ

今回は、事務部門からの要望で構築をしたデビットカード不正利用申告システムについてご紹介しました。
本システムによって、被害に遭われたお客さまが少しでもスムーズに被害を申告できるようになり、また業務においても効率化が図れたのではないかと思います。
今後も、No1テクノロジーバンクを目指してより便利で機能的なシステムを作れればと思います。

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